Firefoxに標準搭載されている無料VPN機能が、8月31日まで通信量無制限で使えます。通常は月50GBの上限がありますが、期間中は上限なしで利用可能。日本も対応地域に追加されており、Mozillaアカウントがあれば追加のアプリや拡張機能なしで使えます。

これは何(有料の「Mozilla VPN」とは別物)
Firefox 149から搭載された、ブラウザ内蔵の無料VPN機能です。名前が似ている有料の「Mozilla VPN」とは別物なので注意してください。
仕組みは、Firefoxの通信をFastlyが運用するプロキシサーバー経由で中継し、サイト側に見えるIPアドレスを差し替えるというもの。ブラウザとプロキシの間はMASQUE(QUICベース)で暗号化されており、DNSの問い合わせもこの暗号化経路を通ります。そのためISPや同じWi-Fiにいる第三者からは、どのサイトを見ているかが見えなくなります。プロキシ側には接続先のホスト名・通信量は見えますが、HTTPSで保護された中身(パスワード、フォーム入力、ページ内容)は読めないとされています。
- Firefox内蔵VPN: 無料。保護対象はFirefoxの通信のみ。メールアプリ、他のブラウザ、ゲームなどの通信は素通しになる
- Mozilla VPN: 有料。デバイス全体の通信を保護し、30カ国以上・500台以上のサーバーが使える。最大5台まで接続可能で、料金は年額プランで月$4.99、月払いで月$9.99(いずれも税別)
「無料版は機能が劣化したVPN」というより、守る範囲がFirefoxのブラウジングに限定されていると理解するのが正確です。カフェや空港の公衆Wi-Fiでのブラウジング、という用途なら無料版で十分機能します。
期間(いつからいつまで)
- 通信量無制限・経由国拡張の実施期間: 2026年8月31日まで
- 9月1日から自動的に通常仕様(月50GB上限・経由国5カ国)に戻る
- 申し込みや設定変更は不要。対象ユーザーには自動適用される
期間中の内容
- 通信量: 無制限(通常は月50GB、上限到達で翌月まで一時停止)
- 経由国: 28カ国以上に拡張(通常時は米国・英国・カナダ・ドイツ・フランスの5カ国のみ)
- 経由国に日本も選べるため、IPを隠しつつ日本限定サイトも通常どおり閲覧できる
- 日本以外にもオーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チリ、コロンビア、デンマーク、フィンランド、アイルランド、イタリア、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、タイなどが選択可能
- 料金: 無料(サブスク契約不要)
使い方(VPNボタンの場所と有効化手順)
初回セットアップ:
- Firefoxのツールバー右上にある「VPN」アイコンをクリックする
- 「はじめる」を選び、Mozillaアカウントでサインインする(未登録なら無料で作成できる)
- サインインが完了するとVPNパネルが開く
- 「VPNをオンにする」ボタンを押す

2回目以降:
- ツールバーの「VPN」アイコンをクリック
- パネル上部で経由国を選ぶ(「おすすめ」を選ぶと最速の拠点が自動で選ばれる)
- 「VPNをオンにする」を押す

特定のサイトだけVPNを通したくない場合は、設定 > プライバシーとセキュリティ > 組み込み VPN > 「Webサイトの設定を管理」から除外リストに追加できます。

VPNアイコンが表示されない場合
- 段階的ロールアウト中のため、対応地域でも順番が回ってきていない可能性がある
- セットアップ時のプロンプトで「やめる」を2回選ぶとアイコンがツールバーから消える。ツールバーのカスタマイズから戻せる
- 設定 > プライバシーとセキュリティ に「VPN」の項目があるかを確認する
- about:config で
browser.ipProtection.enabled の値を確認する方法もある(false になっていれば非対象)
対応地域・利用条件
- 対応地域リストに日本が追加済み(2026年6月末ごろから段階的に提供開始)
- Mozillaアカウントでのサインインが必須
- 対象はFirefox 149以降のデスクトップ版。スマホ版では現時点で利用不可
- 法人向けポリシーが適用された端末(エンタープライズ環境)では利用不可
注意点
- 9月1日以降は経由国が5カ国に戻るとMozillaが告知しており、通常時の5カ国は米国・英国・カナダ・ドイツ・フランスとされている。日本を経由国として選べるのは期間中だけになる可能性が高い
- 経由国に海外を選ぶと日本限定のサービスで弾かれることがある。日本のサイトを普通に使いたい場合は経由国を日本にしておく
- VPN経由だとサイトの読み込みが遅くなる、エラーが出る、追加認証を求められることがある。その場合は経由国を変える、またはそのサイトだけVPNをオフにする
- Mozillaによると、DNS over HTTPS(DoH)を有効にしていると動作しない事例が報告されている
- 一部のMozilla関連サービスへの通信は、サインインや公衆Wi-Fiの認証画面を正しく動かすためVPN経由から除外されている
- すでにMozilla VPNを契約している人は、競合を避けるためツールバーからアイコンを外すことが推奨されている
- Mozillaは接続の成否や通信量などの技術データは記録するが、閲覧したサイトや通信内容は記録しないとしている